オーガニック健康カウンセラーの大鳥あみです。
本記事では有機野菜と無農薬野菜の違いの解説に加え、特別栽培、自然栽培の違いについても言及します。
オーガニック生活を始めると、有機野菜、無農薬野菜、特別栽培、自然栽培など、似たようなワードがたくさんある事に気づきます。
特に、有機野菜と無農薬野菜の違いって何なの?農薬が使われているか、使われてないかの2択じゃないの?と気になりますよね。
実は有機野菜と無農薬野菜は似ていますが、異なるものです。
なので、その違いをしっかりと理解しておかないと「農薬使われていない思って買ったのに、実は使われていた」といったことになりかねません。
- 有機野菜、無農薬野菜の違いとは?
- 特別栽培、自然栽培とは何か?
- なぜ、慣行の農作物とオーガニックの農作物の栄養価の違い
- オーガニックの農作物を食べる3つのメリット
この記事を読めば、なぜオーガニックや無農薬の野菜を食べる事が健康に良いと言われているのか?が分かるようになるでしょう。
本記事を書いている私(大鳥あみ)は、自身の病気を食事で完治させ、300人以上に食事指導、体質改善を行ってきた実績をもとに解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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有機野菜と無農薬野菜の違いとは?
無農薬野菜という言葉だけを聞くと
無農薬(農薬が無い)野菜という事ですから、農薬が一切使われていない野菜だと思いますよね。
しかし、現実として農薬が100%一切使われていない野菜というのは、「自然栽培」と書かれた野菜のみなんですね。
また、現在野菜に「無農薬」と記載する事は、法律で禁じられているため、無農薬野菜というのは存在しません。
なので、過去に無農薬野菜と書かれていた野菜は、現在特別栽培という表記で販売されている事が多いです。
また、よく聞く有機野菜というのは、ほとんど農薬や化学肥料等を使わずに育てられた野菜の事です。
なので、有機野菜は若干だけ農薬を使用されているという事になるわけですね。
なので、有機と無農薬の違いを簡潔に言うと、下記のような違いがあります。
- 有機野菜(オーガニック)…有機JAS規格で許可された農薬と肥料のみを使用されて作られた野菜
- 無農薬野菜(現:特別栽培)…農家の方が出来るだけこだわって作った野菜
それでは、オーガニックと無農薬、また自然栽培も含めて、その違いをもっと具体的に解説していきます。
有機野菜(オーガニック)、無農薬(特別栽培)、自然栽培の違いを比較してみた
オーガニック(有機)と一緒によく耳にする、無農薬(特別栽培)、自然栽培とはそれぞれどういった意味なのでしょうか?
それぞれ何が違うのか、具体的に農作物の栽培方法の違いを解説します。
オーガニック、無農薬(特別栽培)、自然栽培の比較表
まずは、オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培の違いについて比較してみましょう。
ちなみに、これら以外の農作物、つまり一般的に農薬を使って育てられた農作物のことを慣行栽培農作物といいます。
※クリックorタップで拡大可能↓
この表は慣行栽培を基準として、それぞれの項目を比較した図になっています。
慣行栽培に比べると育てるのに手間も時間もかかるため、それに応じて金額も高くなりがちです。
それでは、次から下記の3つの農作物の条件や特徴をそれぞれ具体的に解説します。
- 有機野菜(オーガニック)
- 無農薬野菜
- 自然栽培野菜
1.有機野菜(オーガニック)
- オーガニックと言える条件とは?
- オーガニック野菜なら全く無農薬が使われていないのか?
- オーガニック野菜で使用が許可されている農薬の種類
有機野菜といえる条件は?
1990年にアメリカで制定された有機食品生産法によると条件が2つあります。
- 農薬や化学肥料などの合成化学物質を使用せずに生産され、また取り扱われた農作物であること
- 過去3年間に合成化学物質を含め、禁止物質を使用した耕地で生産された農作物でないこと
この2つの条件に当てはめて作られた野菜のことをオーガニック(有機)野菜と呼ぶことができます。
有機野菜なら全く農薬が使われてないのか?
先に書いた、有機食品生産法の2つの条件を聞くと、オーガニック(有機)野菜は農薬を全く使っていないように思えるのですが、実は一部の農薬は使用されています。
日本では有機JAS規格という規格があり、その規格にそって作られた農作物は有機JAS認証を取得することができます。
そして、この有機JAS規格には使用してOKな農薬と肥料があるんです。
オーガニック野菜でも農薬使われてるんだ、知らなかったワン!
有機野菜で使用が許可されている農薬の種類
有機JAS規格では、指定された種類の農薬の使用が許可されています。
農薬を一切使わずに農作物を育てるのは非常に手間がかかるため、育てた野菜が害虫や病気に負けてしまい、収穫ができない!ということは大いにありえます。
有機野菜の農家さん達は品種の選定を工夫したり、害虫が嫌う植物を農作物の周りに植えたりなどの工夫をされていますが、それでもなかなか難しいのが現実です。
なので、有機JAS規格では化学合成農薬や殺虫剤に関しては使用が禁止されていますが、天然物由来の一部の農薬に限り使用を許可しているんです。
使用が許可されている農薬の種類は【有機JAS規格 別表2】というJASが公表している資料で誰でも見ることができます。
ここまで読んで、
有機野菜も農薬使われているなら普通の野菜でもたいして変わらないんじゃないの?
と思われた方もいるかもしれませんが、単純にそう結論付ける事はおすすめしません。
やはり、慣行栽培、いわゆる普通の農作物に比べ、オーガニックの農作物は、圧倒的に化学合成農薬や殺虫剤の使用量が少なく、農薬の種類も天然由来のケースが多いからです。
そのため、オーガニック(有機)農作物は他の農作物に比べて身体に優しく、地球環境にも優しいと言えるでしょう。
2.無農薬(特別栽培)
ここまで読んで、オーガニック(有機)野菜は完全には無農薬ではない、ということは分かったと思います。
それでは、「無農薬(特別栽培)」とは一体どういう意味なのでしょうか?
- 無農薬野菜と言える条件は?
- 無農薬表記に代わる表記方法
無農薬野菜と言える条件は?
無農薬栽培とは、「無農薬」の名前の通り、農薬を一切使用せずに農作物を栽培する方法のことです。
しかし、現在、無農薬であることを証明するための規格や規定は存在していません。
そのため、もしかすると土壌に過去に使っていた農薬が残っているかもしれないし、隣の畑で使った農薬が流れてきてしまっているかもしれない。
そうすると、一生懸命栽培するときには農薬を使わずに育てたけれど、植物は土壌から水分や栄養を吸収するので、土壌に残っていた農薬を一緒に吸収してしまって、結果的にその農作物から農薬が検出されてしまう。
そういったこともあり得てしまうのが現実となっています。
オーガニック(有機)と名乗るための有機JAS規格のような基準や定義が存在していないので、農薬を使わずに、害虫や病気に負けないように育てていたとしても、
「無農薬野菜」と表記して販売することは、現在禁止されているんです。
「無農薬野菜」と表記してしまうと、農林水産省が定めている【特別栽培農産物に係る表示ガイドライン】に違反してしまう事になってしまいます。
なので、現在、日本では「無農薬」の表記に代わる書き方が定められています。
無農薬表記に代わる表記方法
先程書いた、農林水産省が定めている【特別栽培農産物に係る表示ガイドライン】では農薬を使わずに育てた農作物を特別栽培農産物と表記して良い事になっています。
そして、特別栽培農産物の中でも、下記のように記載する事で、こだわって作っていることを明記できるように定められています。
- 農薬を使っていない場合 → 農薬:栽培期間中不使用
- 化学肥料を使っていない場合 → 化学肥料:栽培期間中不使用
こんな感じに表記されてスーパーでも売られています↓
また、完全に農薬不使用ではないけれど、農薬や化学肥料を普通よりも減らして栽培しましたよ!減農薬ですよ!
と表記したい場合には、
「節減対象農薬:当地比 ○割減」
「化学肥料(窒素成分):当地比 ○割減」
などといった表記をして消費者にわかるようにして良いと定められています。
これならわかりやすいワン!
3.自然栽培野菜
最近健康志向が高まるに連れて、「自然栽培」という言葉も以前より耳にする機会が多くなってきました。
自然栽培はどんな育てられ方をしたものなの?と気になりますよね!
自然栽培とはズバリ完全無農薬で肥料も一切使用しない育て方のことです。
そう、一切何も使わずに、自然の力だけで栽培する方法のことを自然栽培と言うんですね。
ただし、自然栽培においても、それを定義する明確な決まりは現在ありません。
ですが、農薬や化学肥料が一切使われていない農作物、それを自然栽培農作物と呼ぶことができます。
つまり農薬を極限まで避けたい場合は【自然栽培】一択って事だワン!
オーガニック・無農薬・自然栽培の違いについてはYoutubeでわかり易く解説しています。こちらも合わせてご覧ください↓
農作物は育て方によって栄養価や味は変わる?
さて、農作物は育て方によって農薬や肥料の使われる量が異なるのは分かりましたね。
では、育て方によって、その農作物の栄養価や味は変わるのでしょうか?
現在、日本では農作物の持つ栄養は今から約50年前の1970年代の頃と比べると激減していると言われています。
実際に日本食品成分標準成分表に示される数値を比べてみても、ビタミン・ミネラルなどの栄養価が半分以下にまで減ってしまっているものが多くある事がわかります。
農作物の種類 | 該当の栄養素 | 変動値 |
---|---|---|
玉ねぎ | カルシウム | -50% |
ごぼう | ビタミンB1 | -83% |
アスパラ | ビタミンB2 | -50% |
ほうれん草 | ビタミンC | -67% |
人参 | 鉄分 | -60% |
栄養価が減ってしまった原因は?
栄養価が減ってしまった原因として考えられる1番の原因は土地が痩せてしまったという事があります。
土地が痩せるってどういう事?
現在ではスーパーに行けば、1年中いろいろな野菜が手に入りますよね。
しかし、昔の日本はそうではありませんでした。
春には春が旬の野菜、夏には夏が旬の野菜、といったように、季節によって採れる野菜の種類は限られていて、その時期にだけ食べられるものでした。
それが科学の発展に伴い、消費者のニーズに合わせて品種改良がなされ、旬以外の時期でも野菜が収穫できるようになりました。
さらに、早く収穫をするために即効性のある化学肥料を多く使用することで、1年中様々な野菜が食べられるようにもなったのです。
また、農作物が害虫や病気にも耐えられるように、農薬や殺虫剤もたくさん使われてきました。
そうすると、もともと肥えていた土地も、化学物質をたくさん吸収することで痩せていってしまうんです。
つまり、土地が疲れてしまっている状態を想像してもらえればわかりやすいと思います。
疲れてしまっている土地からは、栄養満点の農作物はなかなか作れないのが現実です。
有機野菜、特別栽培、自然栽培は栄養価が高いの?
最初に書いたように、オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)は化学肥料や農薬をほとんど使わずに、自然栽培の場合は一切使わずに育てる方法です。
つまり、土地が痩せることなく農作物を育てていると言えます。
つまり栄養価が高かったときの状態(50年前の状態)で農作物を育てているんです。
なので、オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培の農作物のほうが、農薬を使って作られた慣行栽培の農作物よりも栄養価が高いと考えられます。
オーガニックや無農薬の農作物を食べるメリットは?
では、慣行栽培の農作物よりも、あえてオーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培を選ぶメリットは何でしょうか?
詳しく話をすると、様々なメリットが存在しますが、ここでは3つに絞ってご紹介します。
単純に美味しい
味覚は人によって違うので、一概に言う事は出来ませんが、私個人的な感想ではオーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培の農作物は、味が美味しいものが多いです。
以前、箱根に旅行に行った際に立ち寄ったイタリア料理店で、オーガニック野菜のグリルを食べたのですが、ほとんど味付けをしていないのに、ものすごく甘くて美味しかったのが忘れられません。
濃い味付けをした料理だと、分からない事も多いですが、シンプルな野菜の素材を生かした料理を作る場合は、特に味の違いが分かります。
高級料亭や、一流のフランス料理のシェフが好んでオーガニックの野菜を料理に使う事が多いのも、こういった理由からなのではないでしょうか。
アンチエイジングに効果的
オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培は農薬や殺虫剤に頼らずに育てているので、農作物自身が
「害虫や病気に負けずに大きくならなくちゃ!」
といったように自分自身を守りながら、強く成長していきます。
よって、その過程で抗酸化物質を多く作り出します。
そのため、抗酸化物質の含有量が慣行栽培の農作物に比べて18~69%多いと言われているんです。
抗酸化物質って何だワン?
抗酸化物質とは、私達の体の中で発生する活性酸素をやっつけてくれる物質のことです。
活性酸素を抗酸化物質が抑えてくれるので、アンチエイジングにも効果的と考えられます。
「最近、肌ツヤが気になる」
「老化かな、、、」
と、気になり始めた方にはおすすめです。
病気のリスクを減らせる
オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培は硝酸態窒素の含有量が少ないことが報告されています。
硝酸態窒素とは、聞き慣れない言葉かもしれませんが、過剰に摂取してしまうと病気を引き起こすリスクが高くなると言われている物質です。(※参考:食品安全に関するリスクプロファイルシート(検討会用) :農林水産省)
そのため、農林水産省によって農作物に含まれる硝酸態窒素の濃度は細かく決められていて、慣行栽培においても、多く含みすぎてはいけませんよ!と定義されています。
私たちは毎日必ず農作物を食べています。
そんな毎日の積み重ねが私達の身体を作っていると考えると、将来的に病気になるリスクは少しでも減らしたいと思いますよね。
この硝酸態窒素の量が少ない、ということも、オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培の最大のメリットではないでしょうか?
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有機野菜と無農薬の違いのまとめ
今回は、オーガニックとは?
・オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培の意味の違い、育て方の違い
・オーガニック(有機)、無農薬(特別栽培)、自然栽培を選ぶメリット
をお伝えしました。
最近では、オーガニック製品がとても多く出回るようになってきて、オーガニック(有機)コーナーがあるところもよく見るようになりましたね。
オーガニック(有機)コーナーなんて、今まで見なかったわ!という方も、今回書いたように、オーガニックは私達にも自然にも優しい、そしてメリットがいっぱいです。
「オーガニックとはどういう意味なのか」を理解して、日々の生活がより豊かで楽しいものになりますように。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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